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チャイナタウン

 S・J・ローザンの「チャイナタウン」を読みました。

チャイナタウン (創元推理文庫)

S・J・ローザン / 東京創元社



 主人公はニューヨークのチャイナタウンに住む28歳の中国人女性、リディア。

 彼女は探偵。

 そして、彼女のパートタイムの相棒は中年の白人男性ビル。

 旧正月前のチャイナタウンの美術館から磁器が盗まれ、二人がその調査をすることになるが・・・、

 というお話。


 アメリカのミステリ作品をいくつか読んだことがありますが、主人公が東洋人の若い女性という設定は初めてでした。

 内容も普通の探偵小説っぽくないのは、中国人の若い女性が主人公だからかもしれません。

 中国人社会独特のネットワークの広さや中国人同士の繋がりの強さを使って真相に近づくリディア。

 一方、相棒のビルは、長年の探偵経験を生かした経験や人脈から真相に近づいていきます。

 
 この小説で最も魅力的なのはそんな主人公二人の文化や年齢の違いともうひとつ。

 食事のシーン。

 外食では二人がどんな飲み物と食事を注文したか、誰かの自宅に訪ねた際に出された飲み物の種類、事務所で飲食しているものの種類・・・、ととにかくどんなに些細な食事のシーンでも必ず何を二人が飲食しているのかを書いてくれているので、想像力も高まり、感情移入もしやすくなっているのです。

 そしてそして、中国人女性と白人男性の最も異なる点は好きな飲み物。

 リディアはとにかくお茶が大好き。中国茶から紅茶までさまざまな種類のお茶をいつも飲んでいます。

 それに対してビルはコーヒー党。

 
 とにかく何か所もある食事の描写。そのうちのいくつかを引用します。

 引用

 三番街を二ブロック行ったところの終夜営業のコーヒーショップが、きっちり切り取ったような四角い光を通りに投げかけていた。

 お茶を一杯だけ、そうしたら家に帰ろう。

 わたしよりもっと眠たそうなやせた十代のギリシャ人ウェイターに、紅茶とキャロットレーズン・マフィンを注文した。

 以下略
 


 引用

 コーヒーと紅茶と、したたるばかりにバターのついたベーグルを前にして、わたしたちは徹底的に話し合った。

 以下略
 


 引用

 ウーロン茶と菊茶を混ぜてお茶をいれ、デスクの椅子に腰を下ろした。

 略
 

 ブレンドのきいたお茶が優しくわたしの脳を目覚めさせた。

 略

 黄色いマグカップはお茶を飲むのを楽しくし、お茶は心を安らかにした。

 以下略



 私はコーヒーよりお茶がすきなので、自然とリディアのシーンばかりになってしまいました。
 
 したたるばかりにバターのついたベーグルや、ウーロン茶と菊茶のブレンドティーなど、気になるものばかり。

 今、ちょうどおなかペコペコなので、さらにおなかがすいてきました。


 で、この作品はシリーズになっていて、シリーズごとに語り手が変わります。

 なので、次回はビルが主役。

 何度も読み返している作品ですが、なぜだか飽きのこないお気に入りです。

 ニューヨークでお茶を飲んでいる気分が味わえます。



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by chimamotto | 2011-11-12 06:02 | 小説 | Trackback | Comments(0)

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