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カテゴリ:小説

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左京区七夕通東入ル

 瀧羽麻子さんの「左京区七夕通東入ル」を読みました。

左京区七夕通東入ル

瀧羽 麻子 / 小学館



 瀧羽さんの「うさぎパン」が大好きで、ほかの作品も読んでみたくなり、手に取りました。

 「うさぎパン」に関する過去記事はこちらへ。


 お話は、京都の大学に通う はな 。

 大学生活最後の4年生の七夕の夜、運命の人と出会う。

 彼は同じ大学の理学部数学科の学生。

 女の子や遊びのことより、数学に夢中。

 オシャレ大好きの女子大生はなが、彼を振り向かせることはできるのか・・・、

 というお話。

 
 全体的に少女マンガっぽいお話でした。

 舞台は作者の瀧羽さんの母校である、京都大学のようです。

 主人公のはなは、オシャレでコンパやクラブにも顔を出すフットワークの良いイマドキの女子大生。

 かたや、はなが一目ぼれする龍彦くんは、数学オタク。

 だけど、イケてない冴えないオタクではなくて、一見地味だけど密かに女子に人気のある爽やかな好青年、というのが私の印象です。

 とにかく主役の二人が爽やかで、京都の青春小説!って感じでした。




 ところで、龍彦くんと同じ寮の爆薬オタクと遺伝子オタクの二人。。

 この二人は、同じく京都大学を舞台にした作品で有名な、万城目学さんや森見登美彦さんの小説にも出てきそうな、見た目もさえないイケてない京大生。

 はなちゃんの相手は、この二人のどちらかだったら面白いのになあって思いながら読んでしまいました。

 そんなことをみんなが思っていたのか、続編は爆薬オタクの男の子が主人公だそうです。 


 「うさぎパン」が良かっただけに、期待しすぎてしまったようです。

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by chimamotto | 2012-04-22 16:29 | 小説 | Trackback | Comments(2)

聖女の救済

 東野圭吾さんの「聖女の救済」を読みました。

聖女の救済 (文春文庫)

東野 圭吾 / 文藝春秋



 福山雅治さん主演でドラマ・映画化もされた「ガリレオシリーズ」の最新刊です。

 今回は「容疑者Xの献身」以来の長編。

 しかも、犯人は女性。

 そして、あろうことか草なぎ刑事が美貌の犯人に惚れた?!

 内海刑事はガリレオこと物理学者の湯川学に捜査協力を依頼するが・・・、

 というお話です。


 前回のシリーズから、ドラマ化のみのキャラクターだったはずの内海刑事(柴崎コウさん)がなんと原作に登場していることに驚きました。

 映像化した後に、原作に登場するキャラクターって・・・。

 でも、確かに主役の二人はすごく良かったです。



 そして、今回、内海刑事がi-podを聴くという場面があるのですが、なんと、「福山雅治」を聴いているのです!

 にくい演出。


 人気シリーズの最新刊は、ハズレなしの安定感でした。

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by chimamotto | 2012-04-20 16:17 | 小説 | Trackback | Comments(0)

ミレニアム2

 「ミレニアム2」を読みました。

ミレニアム2 火と戯れる女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房



ミレニアム2 火と戯れる女(下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房



 「ミレニアム1」についての記事はこちらへ。

 
 リスベット・サランデルに恨みを持つ後見人の弁護士が、リスベットへの復讐を決意。

 謎の調査員、リスベット・サランデルの過去が明らかになる。

 そして、月刊誌「ミレニアム」の編集長であるミカエルは人身売買の組織についての記事掲載について準備を行っている最中に・・・、

 というお話。


 この小説の中で私の(おそらく大半の読者の)お気に入りのリスベットが、主役です。

 「1」よりも面白いと感じました。


 ところで、作品の中に「MENSA」についてちらっと触れている箇所があります。

 メンサ(Mensa)は、人口上位2%の知能指数を有する者の交流を主たる目的とした非営利団体である。高知能団体としては、最も長い歴史を持つ。会員数は全世界で約10万人。
 人口上位2%(平均値を100とした場合、標準偏差15で131以上、16で133以上、24で150以上)に属する知能を有する事を、唯一の入会資格とする。(Wikipediaより)

 という団体なのですが、関西ローカル番組でロザンの宇治原さんが入会テストに合格してました。

 それで、時々MENSAの特集をやったりしていることを思い出しました。


 京大卒の宇治原さん。

 ロザンつながりで、こないだ、これまた関西ローカル番組で見た、相方の菅ちゃんの英会話がめちゃくちゃ面白かったことも思い出してしまいました。


 菅ちゃん。


 シリアスなお話なのに、ロザンのことを思い出したりしましたが、小説が面白すぎるので、すぐにお話に集中できます。

 で、感想は、小説もロザンも面白いってことになってしまいました。


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by chimamotto | 2012-03-27 15:32 | 小説 | Trackback | Comments(0)

マイナス・ゼロ

 広瀬正さんの「マイナス・ゼロ」を読みました。

マイナス・ゼロ 広瀬正・小説全集・1 (広瀬正・小説全集) (集英社文庫)

広瀬 正 / 集英社



 1945年の東京。

 空襲のさなかに14歳の浜田少年は近所の先生を助けに行った。先生は「18年後の今日、ここに来てほしい」という遺言を残して亡くなった。

 そして18年後、32歳になった浜田は先生との約束を果たすべく、約束の地に行く。

 彼が目にしたものは先生が開発したタイムマシンだった・・・、

というお話。


 実は、広瀬正さんという作家さんのことを今まで知りませんでした。

 1924年東京生まれ。1972年没。この「マイナス・ゼロ」は直木賞の候補にもなり、タイムトラベル小説の金字塔と言われているそうです。


 SF小説、苦手です。

 なんかこうとっつきにくくて敬遠していました。

 でも、北村薫作品や朝ドラ「カーネーション」の影響で、昭和初期に興味を持ち、昭和初期の時代背景がわかる小説を探していたところ、この作品に辿り着きました。

 SFなのに、ちっともSFっぽくなくて(読みやすくて)、昭和初期の東京の活気や庶民の生活がよくわかって、それでいてちゃんとしたSFのタイムトラベルものなのだからスゴイ。

 そして読み終えると、なるほどそういうカラクリなんですね、と納得したつもりが、いつどこでそんなことに?ともう一回読み返してみたり。


 まさかこんな斬新な作品が昭和45年に書かれていたなんて。そしてそれを知らずに今までいたなんて。
 タイムマシンに乗って、もっと昔から知りたかった。

 そんな風に思いました。

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by chimamotto | 2012-03-18 10:47 | 小説 | Trackback | Comments(0)

うさぎパン

 瀧羽麻子さんの「うさぎパン」を読みました。

うさぎパン (幻冬舎文庫)

瀧羽 麻子 / 幻冬舎



 主人公は小中とお嬢様学校に通っていた優子。

 高校生になり、初めて共学の学校に通い始め、同じクラスで優子と同じパン好きの富田君という男の子と友達になり、パン屋めぐりをすることに。

 継母のミドリさんの紹介で家庭教師の美和ちゃんとも知り合いになり、美和ちゃんを通じてもう一人の女性と知り合いになり・・・、

というお話。


 表紙の絵もうさぎだったり、本の厚さも薄かったり、なんせ題名が「うさぎパン」なものだから、10代の女の子を対象にしたあんまり中身のないお話かしら?なんて失礼なことを思いながら、それでも手に取ってしまったのは、心の奥で「読んでみたい」と思った直感と、本の帯に書かれた書評家の藤田香織さんの、

 精神疲労時の栄養補給に「瀧羽麻子」はよく効きます!

という言葉があったからだと思う。


 結果は、大当たり!


 ごく普通の女子高生の何気ない日常生活であり、とても読みやすい文章でありながら、それだけじゃない。

 もっと奥深いもの、心が温かくなるものがたくさんつまっている。

 思いがけず、最後の一行に泣かされた。

 それから、読み終えるとパン屋さんのパンが食べたくなりますよ。夜中に読むと注意です。


 この小説には、主人公優子の家庭教師の美和ちゃんのもう一つの物語「はちみつ」が編集されています。

 美和ちゃんはまたしても脇役なんだけど、「うさぎパン」と同じく主人公に大きな影響を与える重要なポジション。

 この「はちみつ」も、思いがけずに泣かされました。

 
 2つとも読後感のいい、藤田さんのいう「精神疲労時の栄養補給」にピッタリな秀作でした。

 別の作品もぜひとも読んでみたいと思います。


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by chimamotto | 2012-03-16 10:41 | 小説 | Trackback | Comments(2)

ミレニアム1 

 「ミレニアム1」を読みました。

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (上) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房



ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)

スティーグ・ラーソン / 早川書房



 
 映画化された、「ドラゴンタトゥーの女」の原作です。

 月刊誌「ミレニアム」の発行責任者ミカエルは、大企業グループの前会長から40年前に失踪した兄の孫娘ハリエットの消息を調査することになる。

 ミカエルは、ドラゴンタトゥーを入れた女性調査員リスベットを助手とする。

 2人は40年前の真相に辿り着けるのか・・・?

 というお話。


 映画を観た方々のブログを読むと、必ず、

 「映画を観る前に、原作を読んだほうがいい!」

 と書かれているので、読んでみることにしました。


 スウェーデンが舞台で、依頼人の親族がかなりたくさん出てくるので、名前が覚えられないし、本も分厚いので、果たして読破できるのか?と不安になりましたが、そんな心配はいりませんでした。

 読みだしたら止まらない。

 面白かった。



 一番印象に残ったのは、小説が始まる前に書かれていたこんな文章。
 
 スウェーデンでは女性の18パーセントが男に脅迫された経験を持つ。

 スウェーデンでは女性の13パーセントが、性的パートナー以外の人物から深刻な性的暴行を受けた経験を有する。



 私の中のスウェーデンのイメージは、北欧の自然に囲まれた美しい国。そして福祉先進国。

 そんなスウェーデンのもう一つの顔。


  
 映画では、



 この二人が演じているようです。


 原作を読んで、すっかりリスベットのファンになった私は、25歳だけど拒食症の15歳の少女にしか見えないというヒロインをハリウッドの女優さんがどのように演じたのか?と疑問に思いましたが、(ハリウッド=肉感的な女優という偏見が・・・)写真を見る限り、想像どおりのリスベットです。



 しかも、普段はこんなに愛らしいと知って、プロ根性に脱帽。(まだ映画も観てないのに・・・)




 この「ミレニアム」。

 すでに3巻まで発売されています。作者はすでに亡くなっているとのこと。

 この2巻、どこの本屋さんでも売り切れでした。

 大人気ですね、「ミレニアム」。



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by chimamotto | 2012-03-11 16:30 | 小説 | Trackback | Comments(2)

カソウスキの行方

 津村記久子さんの「カソウスキの行方」を読みました。

カソウスキの行方 (講談社文庫)

津村 記久子 / 講談社



 津村さんの作品「ポトスライムの船」に関する記事は、こちらへ。
        「君は永遠にそいつらより若い」に関する記事は、こちらへ。

 タイトルだけ聞くと、なんのこっちゃら?です。

 私はかなり津村ファンなので、タイトルは気になりませんでしたが。


 お話は、職場の不倫カップルのせいで郊外の工場に左遷されたイリエ。

 28歳、独身、彼氏なし。

 毎日をどうにかやりぬくために、同じ工場の森川を「好きだと仮定」することにした。

 つまり、「仮想好き」に。

 イリエの毎日に変化はおこるのか・・・?

 というものです。


 ヒロインが恋愛至上主義じゃなく、感情の起伏がそんなになく、ただただ自分の毎日を今よりももう少しどうにかしないとと不器用に生きている様子に共感を持ちます。

 津村さんの描くヒロインには毎回かなりの勢いで感情移入してしまいます。


 以下抜粋

 「恋愛はすごいなあおい」

 そう口に出して言ってみるが、棒読みだった。気を取り直して、あやかりてー、とごろんと寝返りを打ってみたが、どうしてもやる気のある人の口調にならない。

 以下略



 「カソウスキの行方」以外にも2編の短編が編集されていて、どれもハズレなしです。


 
 そのうちのひとつ、「Everyday I Write A Book」にも、共感できる文章が。


 以下抜粋

 「自分はかわいいっていう自己申告は、恥知らずであればあるほど男はだまされるんです」

 以下略



 津村記久子さんから、今後も目が離せません。

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by chimamotto | 2012-03-07 17:14 | 小説 | Trackback | Comments(0)

雛の家

 久世光彦さんの「雛の家」を読みました。

雛の家 (中公文庫)

久世 光彦 / 中央公論新社



 お話は、昭和初期の日本橋の老舗人形屋。
 
 そこには祖母、父母と3人姉妹が住んでいた。

 近所でも有名な美人姉妹の3人がそれぞれに不幸な恋をして・・・、

 というお話。


 北村薫さんのベッキーさんシリーズを読んで、どうしても昭和初期が舞台の小説を読みたくなって読み始めたのですが、なんか私の求めていたものとは違っていました。

 3人姉妹、その人を選んだら不幸になるよって人ばかり選んで、案の定、不幸(?)になっていく。

 そして、昭和初期のやまとなでしこの割に、3人とも性に対して奔放すぎる。

 もしかしたら、こういう女性たちが久世さんの好みだったのかしら?と思いました。


 実は、ドラマの再放送で向田邦子さんの「風立ちぬ」をちょこっと観て、そのお話の雰囲気が好きで、役者さんも素適で、その「風立ちぬ」=「雛の家」と勘違いしていたのでした。



 舞台が昭和初期で3人姉妹のお話だったからか。

 ドラマの長女を田中裕子さん、次女を宮沢りえさん、三女を田畑智子さんが演じていてすごく可愛らしかったです。



 すっかり誤解して「雛の家」を読んでたものですから、3姉妹を上記の女優さんで映像化してしまってました。
 あまりにイメージが違いすぎ、これは違うなって気づいたのは半分以上読んでから。


 このドラマ、また再放送があれば今度は最初から全部観たいです。

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by chimamotto | 2012-03-04 17:12 | 小説 | Trackback | Comments(0)

チャイナタウン

 S・J・ローザンの「チャイナタウン」を読みました。

チャイナタウン (創元推理文庫)

S・J・ローザン / 東京創元社



 主人公はニューヨークのチャイナタウンに住む28歳の中国人女性、リディア。

 彼女は探偵。

 そして、彼女のパートタイムの相棒は中年の白人男性ビル。

 旧正月前のチャイナタウンの美術館から磁器が盗まれ、二人がその調査をすることになるが・・・、

 というお話。


 アメリカのミステリ作品をいくつか読んだことがありますが、主人公が東洋人の若い女性という設定は初めてでした。

 内容も普通の探偵小説っぽくないのは、中国人の若い女性が主人公だからかもしれません。

 中国人社会独特のネットワークの広さや中国人同士の繋がりの強さを使って真相に近づくリディア。

 一方、相棒のビルは、長年の探偵経験を生かした経験や人脈から真相に近づいていきます。

 
 この小説で最も魅力的なのはそんな主人公二人の文化や年齢の違いともうひとつ。

 食事のシーン。

 外食では二人がどんな飲み物と食事を注文したか、誰かの自宅に訪ねた際に出された飲み物の種類、事務所で飲食しているものの種類・・・、ととにかくどんなに些細な食事のシーンでも必ず何を二人が飲食しているのかを書いてくれているので、想像力も高まり、感情移入もしやすくなっているのです。

 そしてそして、中国人女性と白人男性の最も異なる点は好きな飲み物。

 リディアはとにかくお茶が大好き。中国茶から紅茶までさまざまな種類のお茶をいつも飲んでいます。

 それに対してビルはコーヒー党。

 
 とにかく何か所もある食事の描写。そのうちのいくつかを引用します。

 引用

 三番街を二ブロック行ったところの終夜営業のコーヒーショップが、きっちり切り取ったような四角い光を通りに投げかけていた。

 お茶を一杯だけ、そうしたら家に帰ろう。

 わたしよりもっと眠たそうなやせた十代のギリシャ人ウェイターに、紅茶とキャロットレーズン・マフィンを注文した。

 以下略
 


 引用

 コーヒーと紅茶と、したたるばかりにバターのついたベーグルを前にして、わたしたちは徹底的に話し合った。

 以下略
 


 引用

 ウーロン茶と菊茶を混ぜてお茶をいれ、デスクの椅子に腰を下ろした。

 略
 

 ブレンドのきいたお茶が優しくわたしの脳を目覚めさせた。

 略

 黄色いマグカップはお茶を飲むのを楽しくし、お茶は心を安らかにした。

 以下略



 私はコーヒーよりお茶がすきなので、自然とリディアのシーンばかりになってしまいました。
 
 したたるばかりにバターのついたベーグルや、ウーロン茶と菊茶のブレンドティーなど、気になるものばかり。

 今、ちょうどおなかペコペコなので、さらにおなかがすいてきました。


 で、この作品はシリーズになっていて、シリーズごとに語り手が変わります。

 なので、次回はビルが主役。

 何度も読み返している作品ですが、なぜだか飽きのこないお気に入りです。

 ニューヨークでお茶を飲んでいる気分が味わえます。



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by chimamotto | 2011-11-12 06:02 | 小説 | Trackback | Comments(0)

君は永遠にそいつらより若い

 津村記久子さんの「君は永遠にそいつらより若い」を読みました。

君は永遠にそいつらより若い (ちくま文庫)

津村 記久子 / 筑摩書房



 津村さんの作品の過去記事はこちらへ。
 「ポトスライムの船」

 今回の主人公はホリガイ。大学4年生の女の子。

 就職も決まり、あとは卒業を待つのみ。

 そんなホリガイが元同級生の頼みを聞いたことから、イノギさんという同じ大学の3年生の女の子と知り合いになって・・・、

 というお話。


 特になにということが起こるわけではありませんが、何も起こらないわけでもありません。

 ホリガイの精神的な成長が感じられます。


 ヒロインのホリガイさん。ちっともヒロインらしくない。

 地味でちょっと変わっていて、自分に自信がなくて。

 なんとなく私に似ている。


 物語の序盤に、こういう文章があって、ああ、こういうところ私にもあったなあって思いました。

 引用

 とても哀しかったのだった。

 また変わった女の子だとおもわれてしまった、とつらくなった。

 そんなふうには思われたくないのだった。
 
 個性には執着しないのだ。

 執着しないどころか、積極的になくしてしまいたいと思っている。

 けれどもやっぱりわたしは、変なふうに思われてしまうようなことを言ってしまう。

 いつもそうだった。

 女としてどうしようもないのなら、せめてそちらの側に立って話ができますよ、といらぬ売込みのようなことをして、変わった子だ、という印象だけを植え付けてそれで終わり。

 以下略



 女として・・・のところなんか、ものすごくわかる。
 
 まあ、今ではそんな自分をちゃんと受け入れることができているけれど、若いころはこんなことばかりだった。


 津村さんが描くヒロインはどこかいつも私に似ている(気がする)。

 だから主人公に感情移入してしまって、ちょっと切なくなる。

 でも、私が思っているより彼女たちはもっともっと強い。

 だから嬉しくなる。

 
  
 

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by chimamotto | 2011-11-05 16:11 | 小説 | Trackback | Comments(0)